花豆ちゃん(夢〜ねごと2)
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2010/01/20

ぼくは、花豆ちゃんが好き。花豆ちゃんをずうーっと見ていたい。花豆ちゃんはぼくのことどう思ってるんだろう? ときどき気になる。花豆ちゃんがさやからとびだすとき、ぼくはあんぐりと口をあけて見とれてしまう。「よだれ、たれてるよ」て、きつねさんに笑われるけど、しょうがないんだ。うっとりしちゃうんだもの。

花豆ちゃん 写真
花豆ちゃん

ぼく、口べただから、何にも言えなくなっちゃう。いつか花豆ちゃんと話ができたらいいな。そしたらぼく、花豆ちゃんがどんなにすてきか、いっぱい話してあげたい。だから神様にこっそりお願いしてる。よだれがたれないように、ちゃんと話ができるように。キツネさんとタヌキさんには内緒だよ。だって、だれにもふれてほしくない大事な秘密なんだ。

花豆はなちゃん 写真
花豆ちゃん

ぼくの詩のお師匠さんも花豆が大好きなんだ。(食べるほうだけど)
お師匠さんの住んでいる奈良を訪ねたとき、二人で室生寺さんをお参りした。土産物屋の店先に花豆が置いてあって、お師匠さんが「あら、買ってかえろうかしら」と言い、「わたしね、お豆ことこと煮るのが好きなのよ」とにっこり。
ぼくもおんなじ! うれしくてさ、そんときもやっぱり、口をあんぐりあけてもとにもどらなくなっちゃった。よだれはでるし、涙はでるし、どうにもならなくてさ・・・
お師匠さんは目をまん丸くして、ぼくをぽかんと見ていたけど、ぼくの手をとるとぎゅっと抱きしめて、人のいない木陰につれてって休ませてくれたんだ。
「いいのよ。いいの。こんなこと、なんでもないの」そういってぼくの背中を何度もなでてくれた。
お師匠さんはぼくのことを大切におもってくれている。ぼくはそれで、ずいぶん勇気をもらってるんだよ。

お豆さん 写真
花豆ちゃん

ぼくの畑には豆がたくさん植えてある。
枝豆の根をひっこ抜いてみると、コブみたいなのがあるだろう。それ根粒菌というの。この根粒菌が微生物のすみかで,植物の栄養分の窒素をつくってくれるんだ。つまり土をよくするんだね。豆の力ってすごい!

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