長田弘詩集
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2011/07/19

長田弘詩集 写真

いい詩を読むとこころが洗われる。
たったそれだけで、詩を読み詩を書くようになった。
まさか自分が詩を書くなんておもってもみなかったけど、いつの間にかそうなった。
たくさんの詩集を読みたくさんの詩人の息づかいにふれ、そのときどきで詩は偏屈になったり、カッコしいになったりで、人生とおんなじデコボコ。
そんな中で長田弘さんの詩はふっとわたしを戒めてくれる。どんな小さな一遍も、また際限なくひろがる散文詩も、川をわったってきた風のようにひんやりと心地よい。
本屋さんでふっと手がのびてしまった。いつも今を生きている詩人。
 
ハルキ文庫の中の「長田弘詩集」で、ちょっとばかりおどろいたのは食べ物の詩がたくさん載っていること。「キャラメルクリームのつくりかた」なんていうのもある。こんな楽しい詩を書くんだとおどろいた。そしてもっともっと好きになってしまった。「ライ麦の話」というのもいい。後の数行だけ。
 
・ ・・みえない根のおどろくべき力にささえられて、
はじめてたった一本のライ麦が育つ。/何のために?/
ただ、ゆたかに、刈りとられるために。
 
なんておおきな詩なのだろう。それに触発されたわけではないが、「すぐり」の詩を書いた。とても小さな詩だ。

すぐり 写真

         庭のすぐり

                うべ きょうこ

       庭に すぐりを うえました
       実って はじめて しりました
       こずかいもって だがしやで
       すぐりを かって たべたこと
 
         すぐりは どこにも あったけど
 
         うちの 庭には なかったよ
 
 
       かくれんぼの 庭さきで
       すぐりが あかく 実ってて
       わたしを じっと みてたけど
       ぱくんとたべちゃっ いけないの
 
         だって そこは よその庭
         うちの すぐりじゃ ないんだもん
 
 
       あかい すぐり、あおい すぐり、
       まるい すぐり、すっぱい すぐり、
       あか あお まんまる みんなすき
       あか あお まんまる みんなすき 
 
         すぐりの 庭の かくれんぼ
 
         すっぱい あじの かくれんぼ

すぐり 写真

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