またまた ごっほん!
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2010/08/26

すすき 写真
山にはススキ

 きのう、買い物ついでに本屋へすいっと入って、すいっと出てきた。時間がないので、いつもならたっぷり本をなでまわすのだが、すいっと出てきたとは、わたしとしては、あっぱれである。されど文庫本2冊しっかりゲットしてきた。
 
 釣った魚には餌は与えないとかなんとか男はいうらしいが、うちは女やさかい惚れた作家にはおしみなく愛をあたえ、なんべんでもしつこくしつこく骨の随までたどりつくように読む。きのうの2冊は、上出来であった。本選びはまず、失敗はほとんどないが、それでも超パッピーとハッピーぐらいにはなる。きのうは超超ハッピーである。

貝と 写真 海辺にて

 で、きのう読んだ一冊は、中島義道「エゴイスト入門」新潮文庫。実は中島義道はここ2、3年ご無沙汰していた。いぜんはこの特異な哲学者を狂喜の眼で読みあさったものだった。この作家はこんなことまで言ってこの先どうなるのだろうとどきどきしたけど、あにはからずや、なんだかとても元気になって明るくなっていた。(新しい本を読んでの印象)それで、よかったよかったと思った。この人すごい人間嫌いで、まま共通するとこもあったりして、でも人間としてしごく真っ当ではないかとわたしには思えた。
 で、どんなことを言っているかといいますと、『私の不快を「大切にしたい」がために、私はあれほど真剣に(つまり闘争的に)騒音をはじめ日本的風土に生育するさまざまな居心地悪さと戦っているのだ。』ね、おもしろいでしょ。

はまひるがお 写真 ハマヒルガオ

 さておつぎは、内田樹「こんな日本でよかったね構造主義的日本論」文春文庫。こちらは今日読んだ。もんくなしにグー。なにもいうことなし。ハッピーである。この本の装丁がまたいい。わたしのノウタリンの範疇でなんだけど、この内田樹という人は日本の最先端をゆうゆうと闊歩しているという印象をうける。だから、若い人にぜひ読んでもらいたい。時代を見通す眼と人間としてのバランスがすこぶるよい。こんなふうに強く生きられたらどんなにいいだろう。
 昨今のコミュニケーションができない若者たちのうら寂しさはなんともいえないが、せめてこの人の本を読んでココロを広げてほしいなあ、などとおもう。

はまべんけいそう 写真 ハマベンケイソウ

 ちょいと前に、梨木香歩の「渡りの足跡」新潮社を注文して読んだ。こちらは「ぐるりのこと」のようには超超ハッピーにはならなかった。けれど再々と読み返すうちに大事なものが見えてくるかもしんないもんね。

はまなす 写真 ハマナスが赤い実をつけた

 このように新しい本を手探りで読みあさるのだが、そのほかに定例のごとく読んでいる本があって、時間をみつけてはページをめくる。今はだいぶ前に買った村上春樹の「めくらやなぎと眠る女」新潮社、を読んでいる。
 よくそんな本を読む時間があるなあと思われるだろうが、ここ久慈に来てから、友達はいないし、いっしょに遊んでくれる人もないしで、買い物と散歩と畠に行く以外は終日家にいる。もちろん介護で食事の支度におわれているが、他はずうっと机にむかって原稿を書いているか本を読んでいるかの日常だ。友達が側にいないということは、さびしいことではあるけれど、否応なしに原稿にむかえるのでそれはそれでラッキーかもしれない。

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