えがったなあ
田植え おわったじゃ
小昼っこに するべな
京コ
自慢じゃないが若いときからの腰痛持ちである。椎間板ヘルニアっていうやつ。だましだまし付き合ってきた。悪い奴だなあと思うけど、悪い男とおなじで切るに切れない。そこで、どう手なずけるかが問題だ。
畠を始めたのは、まあ、腰痛持ちがあったからで、少し腰を鍛えるためには畑仕事なんかいいんじゃない、と思ったんよ。
雑穀は作ってみたかったけど、田んぼまでは、まったくする気はなかった。それが畑を借りている弱みから、「田んぼがあいているから、やれ、やれ!」とせき立てられて、ついつい、3年間やっちゃったんだよね。
まあ、一言でいって「おもしろかったなあ!」。知らないことがいっぱいあって、知ったことがその何倍もあって。語りつくせないぐらいいっぱいだから、少しずつ書いていきたいと思うけどね。
で、今日、机にむかって仕事していたら、階下のラジオから「田植え腰」と、なにやら気になる言葉が聞こえてきた。ムム? と耳をそばだてる。大貫たえ子が、田植えの姿勢が腰によく、それを「田植え腰」というらしいとさかんに言っている。あの前屈みになって苗を植える動作だ。これはやってみた人じゃないとわからないが、ほんとにそうなのだ。
田んぼや畑仕事をやってみて、人間の身体は何千年何万年かけて、手を使い足を動かし、働きながらできあがってきたのだなあと、つくづく思う。
苗を一本一本植えるときの指先の所作、泥の中にすっと入って抜けるかんじは、ほう!と感嘆符がつくくらい芸術的なんよ。腰と足の動き、それにともなう全身の動き、忘れられていた機能がむくむく蘇る。
エステだ、トレーニングジムだと、さわいでいるのって、まさか農作業の代わり。人間って、なんか変なかんじ。
おーい、そちらのオギャルさんたち、ちょっと田んぼでエクササイズせえへん。