「そうはいかない」佐野洋子(小学館)
佐野洋子は死の間際まで立て続けにエッセイを出しました。そのほとんど全部がいいのです。「死ぬ気まんまん」とか「シズコさん」とか。
この覚悟、生と死に対する心構えがたまらないのです。あっぱれで痛快、ちょっぴり物哀しい。
この本は33編の物語エッセイ。ふつうのエッセイとはちょっとちがう。晩年佐野洋子は小説が書きたかったのかもと、ふと思う。
さて、この本の光る一文は、と言いますと――このひと言、肝に銘じておくとなにかといいのです。
「不幸は、不幸が好きな人間にしっかりと住みつくものである」(とろとろ)
本でも物でも、本物が好きで〜す!
本つげの櫛を買いました。盛岡の某デパートで長崎うまいもの市というのがあって、欲しかった本ツゲの櫛があったんです。本ツゲのブラシに、ほれぼれしちゃったけど、手が届かなかったのよー。ざんねん!