カズオ・イシグロの「夜想曲集」
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2011/02/14

雪の朝2/13 写真
一日にひとりかふたり通るだけのこの細い路地を雪かきするのはわたし。

3連休だったので、じっくり本を読もうとおもい、本屋に行った。お目当てはカズオ・イシグロである。
読もう読もうとおもいながら「日の名残り」いらい読んでいなかった。
 
その日の朝刊にカズオ・イシグロ来日とあった。「わたしを離さないで」が映画化され、日本公開とある。その記事にすいよせられるように目がいく。

ストーブヤキイモ 写真 雪の日、ハハのためにやきいもを焼く

作品の背景には生命科学の進歩がある。だが、そこで考えたかったのは、医療の倫理よりも、限りある人生という普遍的な問題だったという。
「人生は、普通に考えられているほど長くはありません。作品中の若者たちは悲しい運命を背負っていたが、人生の意味を見つけ、何が大事かを考えて実行しようとした。友情を取り戻すことかもしれないし、手遅れになる前に謝ることかもしれない。短いからこそ、優先したいものが見えてくる」
 
「記憶は私にとって、書くことと密接に関係しています。何をどう記憶し、どう語るのか。記憶によって、自己がいかに形成されるのか。そのことにずっと感心を持ってきました」・・・・・・「彼女を最後まで支えたのが、幸せな記憶です。・・・」
 
そして、自身にとっての偉大な現代作家は「3M」といい、ガルシア・マルケス、村上春樹、コーマック・マッカーシーさん(米国)の3人を挙げた。
 
村上春樹も最近の本の中で、カズオ・イシグロを読んでいると書いていたことを思い出す。この2人の世界的な作家はどこかでクロスするものがあるのだ。そのキーワードはこの言葉にあらわれている。
 
「世界の人々は日本に感心があるからではなく、村上さんを身近に感じるから読んでいる」(毎日新聞2/11からの抜粋)
「身近」ああそうかも。とてもとても身近な存在に感じるのだ。村上さんなら、この気持ちわかってくれると。

カズオイシグロ 写真 カズオ・イシグロ(ハヤカワ文庫)

本屋さんでカズオ・イシグロを探してもらう。残念ながら店員さんは、この名を知らなかった。そのことにびっくりしたが、もはやがっくりはしないことにしよう。本屋さんひとつとって見ても、格差はあきらかすぎるほど、あきらか。けれどそれさえもしらないこの田舎のノー天気。
やっとのことで見つけた、一冊だけあった本は「夜想曲集」、短編集である。その題名どおり音楽にのってベネチア、イタリア、イギリスを舞台に、人生のXXXを奏でる大人の本。あ〜、あと2冊は買いたかったのに。残念。

ヤキイモ 写真 おいしく焼けましたねえ!ふふっ!

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