佐野洋子のまなざし
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2010/11/08

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 大好きな大好きな絵本作家、佐野洋子がついに天国にいってしまった。
「100万回生きたねこ」を、100万人の人にばらまいて。
「いいの、いいの、わたしゃ、いくからね。バイバイ!」って。

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何遍くりかえして読んでも、ごくん!と息をのむこの絵本。
佐野洋子みたいになりたいなあ、佐野洋子みたいにどうどうと生きられたらいいなあ、とにかく、潔く生きる佐野洋子は、あこがれであり、北極星のようであり、かっこいい女のさきがけのような存在であった。
絵本も童話も、終始一環、豪快でいさぎよく、ちょっぴり悲しかった。
まやかしがなく、こっけいであり、人間をよーくみていた。
人がなんと愚かしくおばかであるか、真実はそこはかとないところに、ちゃーんと存在していることなど、その本はおしえてくれた。

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晩年はエッセイを次から次へとだし、2006年に出した「覚えていない」のあとにでた何冊かを、書店で手にはいらなくて、まだ買っていなかった。
その前にでた「「神も仏もありませぬ」は、これぞ、佐野洋子という名エッセイで、こころが弱ったとき、まるでお姉さんに甘えるように、すっと手がのびた。
いさぎよく(きっと苦しいことをたくさん乗り越えたのだろうけど)生きて、いさぎよく逝ってしまった佐野さん。けれどまだまだ、わたしの中の佐野洋子はいきいきと生きている。合掌

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