お豆はきれいですね!
1997―2009村上春樹インタビュー集が文藝春秋からでた。前日の新聞広告をみたばかりなので、まだ入っていないだろうと(田舎の本屋さんなので)聞いてみたら、なんと早々に入っていた。その日は内田樹の本を2冊ゲット、村上春樹とそろい組で、パチパチパチと三本締めといきたいところ。
まず、この題がいいと思いませんか。夢を見るために眠るのではなく、夢を見るために起きるのです。そういう生活をしてみたいとおもいませんか。でも、そんなこと無理、そうですよね。現実はせちがらく人間関係は不審と欺瞞だらけ、つまんない世間に翻弄され・・・なーんてわめいているけど、村上春樹は夢を見るためにただそのことのために、朝目覚めるのです。
夜8時半に寝て、早朝4時から9時まで執筆する。村上春樹にとって生きることは物語を紡ぐことにほかなりません。過酷な書くという行為をささえるために、日々走り身体性を高め集中力を持続させる。シンプルでストイックで、とてもまじめで生きることに誠実なひと。そしてとても謙虚。
この本は「アンダーグラウンド」から「1Q84」BOOK1,2を書き終えた時期にあたるインタビュー集です。インタビューの中には、ほんとにたくさんのたくさんの、本音の言葉があり、秋の木の葉の葉脈のようにくっきりと浮かぶエッセンスが含まれています。読み手によって、そのエッセンスも様々でしょうが、わたしには、村上春樹の本一冊は、100人の友を得たようなしあわせな気持ちにさせてくれます。
ほんとにお豆はきれい!